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Date:  Wed, 19 Jan 2000 08:48:29 +0900
From:  Daichi Kohmoto <eaac1138@nifty.com>
Subject:  [tenmon11:147] 
To:  tenmon11@gfd00.ms.u-tokyo.ac.jp (tenmon11 ML)
Message-Id:  <3884FB73.26DE2E60@nifty.com>
Posted:  Wed, 19 Jan 2000 08:46:59 +0900
X-Mail-Count: 00147

 遅れました。

 若林の過去問を部室においておきます。必要な人はコピーしてください。

 また、振動波動の解説プリントを置いておくので、読みたい人は読んでくださ
い。まだ2枚しかないですけど。

 振動波動はともすれば数学だと思いがちですが、このプリントはできるだけ数
式を使わないで、言葉によって振動・波動現象を解説してあります。物理は数学
で記述されますが、数学によっては語り尽くせないところに魅力があると思うの
で、敢えて言葉によって解説することを試みています。間違いがあればご指摘
を。

 では。
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(余談)

 ファインマンは次のように言っています。
「物事の本質を探求しようとするならば、その道具は真に抽象的なものでなけれ
ばならない。」
例えば、電子スピンは2つの”状態”を取り、適当な2つの基底をとってやるこ
とにより、2次元複素ベクトル空間を生成します。我々はこの”状態”空間を数
学という道具を借りて記述しているわけで、その状態空間はこれにより容易に想
像できます。しかし、電磁気学で場というものを電気力線で感覚的に理解できる
けれど、電気力線をもってして電磁気学を語ることはできません。それと同じで
この”状態”という概念そのものを、数学により我々は理解しやすい形にしてい
るけれども、本当に”状態”という概念を理解しようとすれば、或いは状態に限
らず、TOE(Theory of Everything)を発見しようと思うなら、我々が持つ唯
一の抽象的な道具、言葉によってのみしか記述できないのではないか、と最近思
います。私は21世紀の理論物理学者達のあるべき姿とは、恐らくこの”言葉”に
よる物事の本質の記述に最も苦悩することではないか、と思うのです。

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Daichi Kohmoto   Tokyo University  S1-26,  941050G
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