11月になったことなので、しし座流星群のお話を少々。
母彗星テンペル・タットルの回帰により、1998年から大出現を見せてきた
しし座流星群ですが、ひとまず今年で今回の出現期は最後となります。
R. MacNaught, D. Asher の予報を信じる限り、次のしし座流星群大出現は
2099年です。もちろん未知のダストチューブが存在する可能性はゼロではない
ですが、まあ今年が最後の機会、と思ってよいでしょう。
今年の出現予報は、日本時間で11月19日13:00付近と19:30付近です。第1ピーク
は日本では昼、第2ピークは輻射点のあるしし座流星群が昇ってくる前とあって、
この予報を信じる限り大出現は望めません。ヨーロッパ、西アフリカ、アメリカ
中部が好条件といわれています。詳しくは日本流星研究会のページを見てください。
で。
国立天文台の渡部潤一氏を筆頭とし、理研・宇宙研・名古屋大・日本流星研究会
・東大・東海大のメンバー計8名からなる我々の観測隊は、高感度ハイビジョン
カメラ、分光器、高感度ビデオカメラを用いてスペイン、アメリカ、大西洋上空、
野辺山から2002年のしし座流星群を迎え撃ちます。去年テロの影響で規模が縮小
されたNASAの航空機ミッション "Leonid MAC" も、ことしは米空軍とNASAの航空
機2機で大西洋を横断、2つのピークを観測します。
そして。
NASA Leonid MAC 日本クルーの身に何かがあった時のためのバックアップクルー
となっていた平松ですが、メインクルーはもうアメリカに向かって飛び立ってし
まったので、NASAの青いフライトスーツを着てNASAの飛行機に乗ってミッション
に参加する可能性は無くなりました。
とゆーわけで、スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島に行くことになりました。
15日(金)出発です。駒場祭までには戻ってきます。
-------
確かなことは言えませんが、極大の前数日間のうちに、日本でもある程度の
出現がある可能性がちょっとだけあります。対応するダストのチューブは特定さ
れていませんが、昨年・一昨年と火球報告や電波観測によりかすかなピークが
ある可能性が指摘されています。ちょうど休日なんで、淡い期待を持って見てみる
のもよいかもしれません。
参考
日本流星研究会
http://www.nms.gr.jp/
NASA航空機ミッション
http://leonid.arc.nasa.gov/
LIVE! LEONIDS
http://www.live-universe.org/
--------------------------------------------
東京大学理学部天文学科4年
平松 正顕 HIRAMATSU Masaaki
s12009@astron.s.u-tokyo.ac.jp
11maty@par.odn.ne.jp
http://www2.odn.ne.jp/celestial/index.html
--------------------------------------------